雪の降る城 「ふぁ・・・・」 眠い 「ヴォーカル・・・早く帰ってこないかなあ・・・」 深いため息をつく少年は、かつて"人類の守護神""スフォルツェンドの魔神"と呼ばれたその人である 「こんなに寒いのに・・・あんな格好で出てっちゃって大丈夫かな?」 そういいながら草色のノートと紅茶の入ったカップを持って窓際へと歩き出した 出窓になっているその場所に、ノートとカップを置く 「『一月26日(月)今日はとても寒い。そろそろ雪が降っても良いんじゃないかとおもう。この前作った 雪だるまのぬいぐるみの隣にこっそりヴォーカルのぬいぐるみも作っておいといた。気がつかれなきゃ いいんだけど』」 ノートにつむぎ出される文字は古代スフォルツェンド文字 「ふっふっふ。前の日記は読まれて恥を書いたけど!今度は見られても大丈ー夫!!」 誰も居ない部屋で一人ガッツポーズを決めるリュート 「何が大丈夫なんだよ?」 「!?」 びっくりして声の方をみると、そこには黒い魔族がいた 「・・・・なんで窓からはいってくるの?」 「こっちのが早いから」 そういいながらひょいと窓の外から部屋の中へ入ってくる 「ん?なんだよそれ?」 そういって窓辺にある草色のノートを指差す 「い・・・いままで読んだ本の目録」 「ふーん・・・まぁいいけどよ」 ちょっと不審に思いつつもとりあえずは信じたらしい 「そろそろ雪が降りそうだね」 「あぁ?そうか?」 「うん!スフォルツェンドではいつももうすこし後なんだけど・・・何せここは北の都だしね」 そういって「今にも雪がふってきそう」とでも言いたげに窓の外に目をやる 「雪ねぇ・・・そんなのお前なら簡単に出せるんじゃねぇのか?」 「自然に降ってくる雪が見たいの!」 「あっそ・・・それよりよ、リュート」 「何?」 「・・・腹減ったからなんかもってこいよ」 「・・・・・自分で持ってくればよいじゃないか」 「いやならいいぜ?ここにいるかわい〜い子羊ちゃんを食べるからv」 そういうとリュートの顎に手を当てる 「ちょっと。」 嫌そうに顔をゆがめるリュート 「いいじゃねぇかよv」 そういうと・・・ベットへ連れ込んで言ってしまった 「あ・・・雪」 「お・・本当だ」 「初雪だね」 「おう」 二人で顔を見合わせた後、なぜかおかしくなってクスクスと笑い出してしまう。 「なに笑ってるんだよヴォーカル」 「リュートこそ」 二人がクスクスと笑っている間にも、雪は降り続いている ー二人の人生に、幸あらんことを 前のページへ戻るか?